あらすじ

ササハラは、総務課のキタハラと二度と会えなくなる隔離措置を避けるため、査問室三〇二号で「平熱」を証明しようとしている。  特定の相手への生体反応が三十八度を超えれば、診断名は篤熱病。安全な職員として社会へ戻るには、誰であろうと代替可能だと言い切らなければならない。  査問官ミカドは、キタハラの写真、飲み物の好み、欠勤記録、香水の残るハンカチを一つずつ机へ置く。ササハラは視線をそらし、数字を数え、すべてを業務上の知識へ変換していく。  冷たいスキャンパッドの上で測定値は下がる。ところが最後に差し出された質問は、規則や職務では処理できない一文だった。  写真とハンカチを前に、ササハラは三十六・五度まで下げ切れるのか。

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エブリスタ2026/08/20
  • 現在の作品篤い(あつい)患者の記録