あらすじ
完璧な天才芸術家」「高嶺の花」――誰もがそう呼ぶ三浦紬(みうら・つむぎ)。
だが放課後の美術室で僕が見たのは、周囲からの勝手な偶像化に侵食され、まるで絵画のように身体が透けて消えかける彼女の姿だった。
「見ないでっ! うわっ、脚が、脚が平らになってる……っ!」
孤高の面影はどこへやら。そこにいたのは、画材以外は何も扱えないほどド天然で、パニックに陥る等身大の少女。
僕が夢中でスケッチブックに彼女を描き留めたことで、なんとか生身の実体を繋ぎ止めることに成功するけれど――。
存在が消えかける天才少女と、彼女の「素顔」を描き続ける僕。
誰も知らない放課後の美術室で、二人の秘密のクロッキー契約が始まる。