あらすじ

麦が凍り、村が飢える。

そんな北辺の寒村に転生したユアンが頼ったのは、前世で種苗会社に勤めていた経験だった。

南方から手に入れたのは、たった三個の芋。

殖やせば、麦が駄目になった年にも人を食わせられる。

そう考えて植えた芋は見事な葉を茂らせ――収穫はゼロだった。

北辺では、なぜ芋ができないのか。

一株だけにできた十一個の小芋。四千三百粒から選ぶ、北の気候でも育つ株。食べれば毒になる芋。殖やすほど弱っていく種芋。そして、未来のために残す種を食べなければ今日を生きられない人々。

税と配給を計算する元・代官代理セリカ、在来種の灰芋を守るミラ、土地を知り尽くした老農ガーヴ。

彼らとともに、ユアンは「一番よく穫れる芋」ではなく、「飢饉が来ても誰かが生き残れる農業」を作っていく。

やがて訪れる大飢饉。

村人二百一人。残された食料は七十三日分。その先にある収穫へ、本当に間に合うのか。

三個の芋と一冊の帳簿から始まる、異世界農業改革譚。

四十年後。かつて十一人を失った北辺で、餓死者はゼロになる。

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アルファポリス
アルファポリス2026/08/20
  • 現在の作品異世界で芋を植えたら、葉しか茂らなかった ~元・種芋屋、三個の芋から飢えない北辺を作る~