あらすじ
いじめられっ子の僕は自殺を決意した。
だが、死のうと思ったその時、脳裏に声が響いた。
(君の脆弱さは称賛に値する。契約しよう。君の人生を半分くれたら、俺の人生を半分あげよう)
「あなたと契約したら、僕は普通に生きられる?」
(極上を約束しよう)
「……理想はヒラの公務員なんだけど……」
(それは叶わない。俺が動けば世界が瞠目する)
どうせ死ぬだけなら……と、僕はヤクザの幽霊に憑(と)りつかれる道を選んだ。
その日から僕の人生は変わった。
僕をイジメていたガキ大将は、親に棄てられた。
気付いた時には、反社のネームドが、僕の手にキスをしていた。
やがて僕に対する恐怖は裏社会全体に広がっていった。
僕に憑りついたヤクザは、社会の壊し方を熟知していた。
法律も、ネットも、人の心すら武器に変える怪物。
僕の心に寄生したヤクザの名は蝉原勇吾。
勇者や聖女や魔王がはびこる異世界を、
その凶悪なカリスマで蹂躙してきた極道の中の極道。
僕は確信する。
どんな英雄も、彼には敵わない。
蝉原勇吾は怖すぎる。