あらすじ

「ミレイユは本当に素晴らしい女性だ」

旦那様がそう褒める聖女様。

けれど私は知っている。

彼女が周囲から称賛されているもののほとんどは、私が何年もかけて築き上げてきたものだということを。

領民からの信頼も。

孤児院も。

商人たちとの繋がりも。

気付けば、すべて聖女様の功績になっていた。

それでも私は何も言わなかった。

旦那様や領民たちが幸せなら、それでいいと思っていたから。

けれどある日、旦那様は私に言った。

「君も、少しはミレイユを見習ったらどうだ?」

その瞬間、私は決めた。

「では、私はもう必要ありませんね」

公爵夫人としてのすべてを手放し、私は屋敷を出る。

――そして、私がいなくなった公爵家は少しずつ変わり始めた。

当然だ。だって、聖女サマは何も出来ないのだから。



「……どうして、こんなことに?」




ようやく旦那様が私の存在の大きさに気付いたときには、もう遅い。



「戻ってきてくれ……!!君が必要なんだ…!! リディア…!!」

「申し訳ありません、旦那様」

私は微笑んで首を横に振る。

だって私はもう、あなたに愛されることを望んでいないのだから。

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アルファポリス
アルファポリス2026/08/20
  • 現在の作品旦那様は、聖女様を選ばれました。彼女の手柄は全て、私から奪ったものですが。