あらすじ
第十五章までのあらすじ
令和の時代に生きていた望桜は、祖父・誠司の遺した手紙をきっかけに、過去へタイムスリップする。
そこには、まだ特攻隊員になる前の若き誠司がいた。
桜子は、誠司が十二月一日に特攻へ向かう未来を変えるため、家族として彼を守ろうと決意する。
しかし、過去を調べる中で、誠司には誰にも知らされていなかった兄がいたことが判明する。
兄は戦地へ向かう前、誠司に「自分の代わりになる必要はない」「好きな人生を生きろ」「生きてほしい」という想いを残していた。
ところが、その言葉を知らなかった誠司は、兄の死や父・恒一の期待を背負い、自分も軍人として死ぬことを選ぼうとしていた。
そんな兄が残したものが――懐中時計だった。
その時計には、誠司への想いだけでなく、未来へ繋がる謎が隠されていた。
やがて桜子は、令和の知覧で見た懐中時計と、過去で手にした時計が繋がっていることに気づく。
さらに時計の裏蓋からは、
> 「桜子へ。もし、この時計がもう一度お前の手に戻ったのなら――未来はまだ変えられる。」
という言葉が見つかる。
そして驚くべきことに、その筆跡は父・恒一のものだった。
まだ未来を知らないはずの恒一が、なぜ未来に関わる言葉を残しているのか。
さらに、恒一は過去に未来の夢を見ていたことが判明する。
そして第十五章では、桜子が令和で見たものを手掛かりに、懐中時計が二つ存在することが明らかになる。
一つは「誠司へ」。
もう一つは「桜子へ」。
二つの時計が同じ時を刻むとき、**十二月一日の「選択の日」**が訪れる。
ところが桜子が未来の映像を見ると、そこには――
三つ目の懐中時計を持つ謎の人物がいた。
その人物こそ、誠司の運命を変える鍵を握っているらしい。
そして物語の最後、桐生家の門前に一通の白い封筒が落ちている。
表に書かれていたのは――
「桐生桜子へ」
ここまでで物語は、
「誠司をどう救うか」
という段階から、
「なぜ桜子は過去へ戻ったのか」
「誰が未来を知っているのか」
「三つ目の時計を持つ者は誰なのか」
「そして、十二月一日に誠司が本当に選ぶものは何なのか」
という、さらに大きな謎へ進んでいます。