あらすじ
七つの神と七つの「糸」が人に力を与える大陸、アカルリ。
偉大な父王の死により、十五歳で原神国(テナリス)の王となった成大(ラヴィラ)。
神々の力を一つも持たない彼は、父の影と「少年王」への侮りに抗い、強い王であろうともがいていた。
だが戴冠の日、敵国・血神国(カラリス)から届いたのは、ただ二文字。
「偽王」
その侮辱が、若き王の未熟な誇りに火をつける。
一方、辺境の農村で静かな一生を望んでいた少年、アヴァイ。
権力にも戦争にも関わらず、名もない農民として生きていく――そのはずだった。
しかし「選別の日」、七つすべての糸が彼に応える。
歴史上わずか三人目。
十世代以上現れなかった伝説の存在――
「七糸織師(ルームウィーバー)」。
王国にとっては奇跡。
だがアヴァイにとって、その力は自らの人生を奪う呪いだった。
誰かの武器として生きることを拒み、彼はすべてを捨てて逃げる。
そして同じ頃、血神国からは、名も顔も偽った一人の少女が国境を越えていた。
王であろうともがく少年。
何者にもなりたくなかった少年。
祖国から逃れる少女。
それぞれの選択はやがて、七つの国と七つの糸、そして「王とは何か」を巡る大きな争いへと絡み合っていく。
王宮政治、戦争、身分、信仰、そして人が力を持つ意味を描く群像ハイファンタジー。