あらすじ
「青木直也。――釈放よ」
神戸で7億6千万円という巨額の損害を背負い、人生のブレーカーを自ら叩き落とした元・プラント専門電気工事士、青木直也。
留置場で死んだ時間を潰していた彼の前に現れたのは、一人のメガネ女刑事だった。
提示されたのは、あまりにも危険な司法取引。
――舞台は、国策として推進される『公営カジノ推進特区・夢洲』。
表向きはクリーンな巨大IR施設だが、その裏では『運命の巫女』と呼ばれる公認ディーラーが、客の金を残らずむしり取っていた。
「運などではない。絶対に何か『物理的な仕掛け』がある」
公営の大型設備を隠れみのに仕掛けられた不正回路。
野放しにされた巨額の裏金。
司法取引で釈放された直也は、古いドカジャンを羽織り、検電器一本をポケットに忍ばせて裏社会へと足を踏み入れる。
「運命の巫女、ねえ……。その神様がどんな電圧で動いてんのか、拝みに行ってやるよ」
人生が短絡(ショート)した男が、職人技(電気知識)と図々しさだけを武器に公営カジノの不正システムを叩き潰す、コンゲーム・サスペンス開幕!