あらすじ
都会から田舎町の古い団地へ引っ越してきた、中学二年生の少年。
親はいない。
どうやら、自分が殺したらしい。
けれど、その記憶だけがない。
そんなタカが引っ越してきた団地には、奇妙なレールが張り巡らされていた。
昨日までなかった場所にも伸びていくレール。
音もなく走り続ける、不思議なトロッコ。
そして、そのトロッコにはいつ見ても一人の少女が乗っていた。
朝も、夕方も――真夜中でさえも。
ある日、タカはそのトロッコへ乗り込む。
「君は、なんでここにいるの?」
「……知らないわ」
という少女
帰る家もなく、彼女は、トロッコについて一言だけこう告げる。
「これは、私の罪なの」
親を殺した記憶を失った少年と、
自分の罪だけを覚えている、迷子の少女。
二人を乗せたトロッコは今日も音もなく走り、
行き先のない場所へ、新しいレールを作っていく。
これは少しだけ普通じゃない二人が、
自分たちの「罪」を探す物語。
――そのレールがどこへ続いているのかは、二人にもまだ分からない。