あらすじ
「人生の主人公はあなた自身です」とよく言われる。
だったら、平凡な人の人生をそのまま物語にしてもいいはずだ。
ところが創作になると、主人公には強い目的、葛藤、行動力、事件、成長が求められる。
怪しい洋館を見つけても入らない。殺人事件を目撃したら警察に任せる。「あなたしか世界を救えません」と言われても人違いだと思う。
そんな普通の人を主人公にすると、物語は三分で終わってしまう。
なら人生を丸ごと描けばいい。――ただし、今度は「教習所の安全教育映像みたい」と言われそうだ。
なぜ、人生では誰もが主人公なのに、物語では「普通のまま」では主人公になれないのか。
物語が求める主人公と、現実で望ましい生き方のズレについて考えてみる。