あらすじ

漢王朝末期。 長き旱魃に襲われた中原では、民が飢え、死体が道端に転がり、腐敗した役人たちがなおも重い税を取り立てていた。 その日、名もなき農民・狗子のもとにも、税を求める役人がやってきた。 だが、狗子の家には、もう何も残っていなかった。 食べ物もない。 金もない。 そして、妹は飢え死にした。 すべてを奪われた狗子の前に現れたのは、黄色い布を頭に巻いた無数の民衆だった。 「蒼天すでに死す、黄天まさに立つべし!」 黄巾の旗を掲げ、漢王朝に反旗を翻した民衆たち。 彼らは狗子に水を与え、黄色い布を差し出した。 大義など知らない。 張角が何者なのかも知らない。 ただ、生きたかった。 狗子は鍬を握り、黄色い濁流の中へ身を投じる。 それが、乱世を駆け抜ける一人の男の始まりだった。 やがて狗子は、黄巾の乱という巨大な戦乱の中で、数多の人間と出会う。 農民。 兵士。 盗賊。 武将。 そして、後に天下を争うことになる英雄たち。 曹操、劉備、袁紹――。 歴史書に名を刻む者たちが時代を動かす一方で、名もなき者たちもまた、血を流し、大地を踏みしめ、必死に生きていた。 これは英雄たちの華々しい武勇伝ではない。 名もなき農民だった狗子が、鍬一本から始め、乱世の濁流を生き抜いていく戦乱の物語。 そして一人の男の生存への執念が、やがて動乱の歴史そのものを揺るがしていく――。

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小説を読もう2026/08/20
  • 現在の作品名もなき農民、黄巾の乱を生き抜く ~鍬一本から始まる乱世戦記~