あらすじ
夏休み、少年が神社で出会った、白いワンピースに麦わら帽子の少女・ユウ。
同じ学校の五年生だという彼女は怪談を語り、夜の心霊スポットへ少年を誘う。
けれど新学期、学校にユウはいなかった。
転校生など、最初からいなかったのだ。
――だが、ユウは幽霊ではない。
夏休みのたび小学生のふりをして知らない土地の子供に近づき、「あの夏にだけ会った不思議な少女」として記憶に残る。そんな遊びを八年も続けている成人女性だった。
今年ユウが出会ったのは、怪談好きで妙に理屈っぽい小学六年生・レイ。
焼け落ちた神社に出る人魂。
誰もいない建物を横切る人影。
身体を「返せ」と叫ぶ元VTuberの霊。
二人が夜の街を巡るたび、もっともらしく語られていた怪談の正体は、少しずつほどけていく。
怪談の正体を見抜いていく少年と、その隣で「少女」を演じ続ける女。
いったい何が、ただの出来事を「怪談」にするのか。