あらすじ
ロンザ王国の大宰相令嬢、イレーネ・エデン。
何不自由なく暮らしていた彼女の日常は、隣国ゼーレン帝国による突然の進軍によって一変した。
家族、婚約者、故郷……全てを奪われ、彼女自身も奴隷へと身を落とす。
彼女の望みは、平穏な日々と大事な者達の幸せだけだった。
しかし、奴隷となった彼女に最早自らの生き方を選ぶ権利などない。
そんな過酷な日々の中、イレーネが幾度となく思い出したのは、幼い頃に出会った少年イェルのことだった。
ほんの数回言葉を交わしただけで、素性すらよく知らない少年。
それでも彼との出会いはイレーネの価値観を変え、その記憶は奴隷となった彼女の心を支え続けていた。
そしてある日、彼女は思いがけず大人になったイェルと再会する。
もう二度と会えないと思っていた彼との再会。
それは、彼女の運命を再び大きく動かすことになる。
やがて心を通わせた二人は、巨大なゼーレン帝国で複雑に絡み合う権力構造と、その陰に潜む陰謀へと立ち向かっていく。
なぜあの日、ロンザ王国への進軍が起きたのか。
全ての真相に辿り着いた時、イレーネに待ち受けていたのは、彼女が想像もしなかった残酷な現実だった――。