あらすじ
「支援職なんて、いなくても変わらない」
幼なじみのメイアに晴れて勇者パーティに誘われ、その仲間入りを果たしたハイン。
魔王が現れて村が滅ぼされ、やっと活躍できるのかと思ったハインだが。
だが彼に押し付けられたのは雑用ばかりだった。
勇者パーティの雑務も装備の手入れも鑑定も地図作りも、全てを一人で抱え込んできたハイン。
彼はただ黙々と仲間たちの生活と生存を支え続けていた。
自分の存在は、きっと誰かのためになっている。そう信じることだけを心の支えに。
ある日、ついに魔王討伐の話が持ち上がる。
だがハインを待っていたのは、【魔王を倒すための生贄になれ】という非道すぎる宣告だった。
幼なじみとして信じてきたメイア、勇者パーティにより、魔王討伐の切り札として、世界中から集めた聖なる力を限界を超えて注ぎ込まれーーーハインはあまりの激痛に肉体崩壊と精神崩壊を引き起こしながら、【使い捨ての人間爆弾】として魔王城に投げ込まれる。
だがなんの奇跡か、彼は生き残りその凄まじい聖なる力を宿したまま魔王城で目覚める。
しかしその代償として、彼の中から「心」だけが消え失せていた。喜びも、悲しみも、怒りも、誰かを想う気持ちさえも。ただ生きているという事実だけを残した、空っぽの器。
そしてもう一人の幼なじみ、絶世の美女リリィナは、王国でずっとハインを待ち続けていたが。
魔王城が人間爆弾により爆発し、意気揚々と帰ってきた勇者パーティにハインの姿はなかった。
メイアから「ハインは死んだ」と聞かされ、全財産をはたいて魔王城へ飛び込んだリリィナは壊れかけのハインを発見しーーー
壊れたハインの心を取り戻すために、リリィナは全てを捧げることを決意する。