あらすじ

幕末の京都。 江戸から流れ着いた十九歳の青年・青井由太は、働くことが大嫌い。しかし料理、洗濯、掃除といった家事だけは妙に得意で、「年上の綺麗な女性に養ってもらいたい」と本気で考える青年だった。 空腹で行き倒れていた由太を拾ったのは、二十六歳の神無月静。表向きは花街で生きる女性だが、その正体は倒幕派に関わる女間者だった。 「衣食住と小遣いは私が出す。その代わり、家事はお前がやれ」 こうして静を“飼い主”とする、由太念願のヒモ生活が始まった。同い年の芸妓・お光にも弟分として可愛がられ、由太は炊事や買い物をしながら気楽な毎日を送る。 ところが由太には、本人も知らない奇妙な才能があった。 困っている男を助ける。切れた鼻緒を直す。道に迷った侍を案内する。腹を壊した浪士に薬を渡す――。 由太にとっては何気ない親切にすぎない。だが、助けた男が桂小五郎だったため池田屋への到着が遅れたり、道を教えた相手が長州藩士だったため部隊の行動がズレたりと、その小さな行動が幕末の重大事件を少しずつ動かしていく。 剣豪でも志士でもない。政治にも天下国家にも興味がない。ただ静に養われて暮らしたいだけのヒモ男。 それなのに、なぜか彼の周囲では歴史が微妙に変わっていく。 やがて静だけが、その奇妙な事実に気付き始める――。 英雄たちが日本の未来を懸けて戦った幕末。その歴史の片隅には、本人も知らないうちに歴史をちょっとだけ動かしていた、一人のヒモ男がいた。 幕末歴史IFコメディ――『幕末ヒモ男児』。

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小説を読もう2026/08/20
  • 現在の作品幕末ヒモ男児 ―7歳年上の女性に飼われた十代の青年が、動乱の時代を駆け抜ける―