あらすじ

婚約の顔合わせを一か月後に控えたころ、神崎蓮は帰国したばかりの九条莉花と再会した。 それ以来、彼は九条家へ来るたびに、なぜか「部屋を間違える」ようになった。 私の部屋と莉花の部屋は長い廊下の端と端にある。それなのに蓮は、いつも平然と言った。 「同じ家族なんだから、そんなにきっちり分けなくてもいいだろ?」 九回目にまた莉花の部屋へ向かったとき、私はとうとう聞いた。 「神崎蓮。あなた、本当に私と結婚する気あるの?」 蓮は、もう間違えないと約束した。 私は、それを最後にもう一度だけ信じた。 けれど両家の顔合わせを兼ねた婚約の食事会の日。 私はホテルで、一人きりのまま夜まで待ち続けた。 届いたのは婚約者ではなく、莉花の誕生日パーティーを映したSNSの動画だった。 薔薇の花束を抱えた蓮の胸へ、莉花が飛び込んでいく。 彼は拒まなかった。 しばらく動画を見つめたあと、私は別の番号へ電話をかけた。 「高瀬さん」 「前に話していた偽装婚約の件、受けます」

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小説を読もう2026/08/20
  • 現在の作品婚約者は血のつながらない妹の誕生日を祝うために私との婚約をすっぽかし、私は誰もいない会場に取り残された