あらすじ
2044年10月31日。
日本が終わるまで、あと四十七分。
内閣総理大臣・久世征一郎(くぜ・せいいちろう)は、外交と防衛の一部を日本から恒久平和連合へ移す最後の手続きを進めていた。
反対派は国会前を埋め尽くし、賛成派は新しい世界の始まりを待つ。
その夜、ひとつの虚偽情報が群衆を揺らし、一人の反対者が命を落とす。
それでも久世は採決を止めない。
彼は悪人ではない。
誰よりも戦争を憎み、弱い人間が切り捨てられる世界を許せず、実際に数えきれない命を救ってきた男だった。
だが、救える力を持つ者が、拒む権利まで奪い始めた時。
救済は支配に変わる。
台湾封鎖、人道回廊、日本の主権移管、世界秩序戦争、世界連邦の成立、そして初代世界執政官・久世征一郎の裁判。
これは、世界を一つにした男が、自分の作った制度によって裁かれるまでの物語。