あらすじ
2026年6月、対災害法人NPOアマネの創設者・深見普史《ふかみ ひろふみ》がイランで死んだ。
彼の備えは、いつも災害より早かった。理由を、誰も説明できなかった。
死後8年、古い会議資料の隙間から一枚の紙片が見つかる。
数字と略号が並ぶその紙の末尾には、短い一言だけがあった。
〈ここまで〉
深見は、どこまで未来を知っていたのか。そして、なぜその情報はそこで途切れているのか。
答えのないまま、それでも組織は今日も動き続ける。豪雨の夜に水位を確認する職員。紙片ひとつを慎重に扱う記録係。彼らが背負っているのは、預言者の遺産ではない。終わらない「現在」そのものだ。