あらすじ
目覚めると、机の引き出しに自分の筆跡で書かれた手紙が入っていた。
「明日の私へ。婚約者を信じてはいけない。彼は毎晩、私の記憶を消している」
公爵令嬢エレノアには、そんな手紙を書いた記憶がない。
婚約者である王太子ルシアンを問い詰めると、彼は驚くほど簡単に罪を認めた。
「昨夜も、君の記憶を消した」
エレノアは即座に婚約解消を申し入れる。
ところがルシアンは反論せず、ただ一つだけ奇妙な願いを口にした。
「今夜までは、私を君の婚約者でいさせてほしい」
エレノアに残された時間は、日没まで。
自室を調べると、過去の自分が隠した手紙が次々と見つかっていく。
彼を信じるな。
夜になれば記憶を消される。
ただし、彼から贈られた首飾りは絶対に外してはいけない。
警告に従うほど、内容は矛盾していく。
なぜ過去の自分は、ルシアンを疑いながら彼の贈り物を守ろうとしたのか。
なぜ彼は毎朝、同じ白い花を届けるのか。
そして、二人の記憶を奪う魔法を作ったのは誰なのか。
今日の恋を忘れてしまう前に真相を探す、少しだけややこしい両想いの物語。