あらすじ
本作は、なろうで公開済みの小説ですが、内容を一部加筆修正しています。
この世界には、『英雄』と呼ばれる者たちがいる。
魔王を討ち、竜を屠り、神話の如き奇跡を成し遂げて世界を救った者たち。
だが、彼らが栄光の裏で流した血や、誰にも見せずに飲み込んだ絶望は、歴史の教科書には決して記されることはない。
戦場に散った者。
勝利の果てに狂気に飲まれた者。
あるいは、国家や教会という巨大なシステムに「英雄の役割」を演じさせられ、使い潰された者たち。
彼らが命の果てに手放した強烈な未練や後悔は、消えゆく魂から剥ぎ取られ、物理的な「遺物」となってこの世に残される。
それらはただの落とし物ではない。
死者の未練が澱んだ「黒い染み」であり、世界の理を歪ませる致命的な綻び。
―――すなわち「世界のバグ」そのものだった。
放置すれば災厄を呼び、世界そのものを内側から腐敗させるそのバグを回収し、浄化するためにこのセンターは存在する。
それが王国直属の非公式機関「遺物管理局」。
(プロローグより)