あらすじ
それは生きとし生ける者の哀しみを聞くという仏の六神通の一つである「天耳通(てんにつう)」によるものなのか。聞こえないはずの僕の右耳に、悲痛な声が聞こえてくる。その声が、すべての悲劇の幕開けだった。
高校二年の真田祐人(さなだゆうと)は、周辺で相次ぐ「動物による人間襲撃事件」に困惑していた。
スクールカーストの頂点「ブラック・クラブ」から執拗ないじめを受けていた幼馴染の白石怜花(しらいしれいか)と祐人。だが、いじめの主犯たちは突如カラスの大群に襲われ重傷を負う。
祐人は知ることになる。それが、古代の呪術・犬蟲を操る下藤一族の末裔であり、「血花姫(ちばなひめ)」の異能を受け継いだ怜花の仕業だったことを。
しかし、女生徒を食い物にする鬼畜教師の木島と、血花姫を不倶戴天の敵とみなす狂気の「調伏僧(ちょうぶくそう)」黒谷の二人が、卑劣な罠を仕掛けて祐人と怜花を教員宿舎へと誘き出す。
剥き出しの人間の悪意によって二人が奈落の底へと引きずり込まれるとき、怜花に隠されていた究極の呪力「蠱心呪(こしんじゅ)」が発動する。
燃え盛る業火の宿舎を背景に、祐人が怜花を救うために下した最後の決断とは?
最後に残された「たった一枚の写真」が語る真実と、真の愛とは何かを問う、衝撃のホラーミステリー。