あらすじ
かつて王国の依頼で悪魔祓いに成功したものの、その悪魔が遺した呪いによって「他人に心を動かすたび激痛に苛まれる」身体になってしまった大魔女フェリシア(シア)。人と関われば災いを招くと知り、彼女は深い森に引きこもり、ただ独り自給自足の暮らしを送っていた。
そんな彼女の前に、二十年ぶりに一人の青年が現れる。名はレイノルド・グラーティス。かつて幼い頃に彼女に助けられ、その日から彼女だけを想い続けてきた上級貴族の魔道士だった。
「貴女が背負う禍いも、呪いも、すべて僕が引き受けます」
一方的なまでの愛の告白と共に、レイはシアの呪いを解く禁断の方法――口づけと身体の交わりを差し出す。だが、その代償はシアではなく、レイ自身の身体に呪いとして移り、静かに彼の命を蝕んでいた。
繰り返される儀式、迫りくる王国の追手、そして命を賭してシアを守り抜こうとするレイの姿に、氷のように閉ざされていたシアの心は、少しずつ溶かされていく。
自分自身が「禍い」となってでも、愛しい人を守り抜くと誓った青年と、百年の孤独の果てに初めて恋を知った魔女。二人が真実の愛に辿り着くまでの、狂おしくも一途な溺愛物語。