あらすじ
治癒魔法でも治せない病を消す、《転命薬》。
王家の秘薬として生まれ、やがて貴族たちの間に広まったその薬には一つだけ注意書きがあった。
『服用後に生まれた子どもに、副作用が出る場合があります。発現した場合は、本剤を服用させてください』
副作用が出ても同じ薬を飲めば消える。
長い間それで何の問題もなかった。
だがある日、《転命薬》の原料が尽き、二度と製造できなくなる。
それからしばらくして貴族の子どもたちに奇妙な病が現れ始めた。
王立記録院に勤める次男の俺も、その一人だった。
過去の記録を調べるうち俺は《転命薬》が生まれた年代の資料だけが、ごっそり消えていることに気づく。
消えた記録。王家の禁書。そして二百年前、一人の王女を救うために作られた薬。
未来へ送られ続けたものを最後の世代が受け取る物語。