あらすじ
孤児院で健気に働きながら暮らす少女、糸巻繭(いとまき まゆ)。
儚げで誰にでも優しい彼女の周りでは、なぜか「奇妙な噂」が絶えない。
彼女に不審な態度で近づく大人たちが、ある日突然、跡形もなく消えてしまうのだ。
偶然、繭を助けたことがきっかけで彼女と知り合った青年・守(まもる)。
「守くんと一緒にいると安心する」と無垢に微笑む繭を守りたいと願う守だったが、ある夜、彼は見てはいけない「消失の瞬間」を目撃してしまう。
消えた男。静まり返る部屋。
そして、怯える繭の豊かな黒髪の奥から——守を射抜く、刺さるような何者かの視線。
「助けたのは僕じゃない。守られていたのも、僕のほうだった」
自分を愛してくれる少女と、その背後に潜む「恐怖」。
少女の無知な平穏を守るため、青年は命がけの嘘をつき続ける