あらすじ
「お前ら、ほんっと仲いいよな」
「は!? どこが!?」
「ねー。美緒、怒ってる?」
「怒ってない!」
「じゃあ、これ食べる?」
「いらない!」
「美緒の好きなガムなのに」
「……ほんっと、空気読めない!」
私――瀬名美緒には、昔から大嫌いな男がいる。
兄・玲央の親友、朝比奈悠。
幼い頃から何かにつけて私に絡んでくる、マイペースで空気の読めない男。
そんな悠は今や、誰もが知る国民的アイドル。
一方の私は、地元の小さなアイドルグループで活動中。
テレビの向こうで輝く悠と、売れないアイドルの私。
どれだけ遠く離れても、音楽番組で顔を合わせれば、
「あ、美緒!」
と、昔と何も変わらない顔で駆け寄ってくる。
……ほんと、なんなの。
私はあんたなんか大嫌いなのに。
だけど――。
ある日、兄が所属していた人気グループのメンバーから告げられた。
「お兄ちゃんの件、ごめんな」
「……え? 何のことですか?」
兄・玲央が、人気絶頂の中で突然アイドルを脱退した理由。
そして、兄の親友だった悠が、今では兄と疎遠になっている理由。
私の知らないところで、一体何があったの?
大嫌いなはずの兄の親友と、兄が残した秘密。
これは、国民的アイドルになった幼なじみと、売れないアイドルの私の、ちょっと騒がしくて、少し切ない恋の物語。