あらすじ
気がつけば、由美は見知らぬ世界に立っていた。
そこで剣を向けてきた男・レイが警戒したのは、由美が異世界から現れたからではない。
この世界では、外から渡ってきた者には必ず《渡りの痕》が残る。
しかし、由美にはそれがなかった。
そして二十年前にも、地球からこの世界へ渡り、再び地球へ帰った一人の女性がいた。
彼女が残した記録。
古代遺構《アシェル》。
二つの世界で同時に起き始める、説明のつかない異変。
帰る方法を探していたはずの由美は、レイや古代術研究者エダンとともに調査を進めるうち、自分の失踪そのものが二つの世界の成り立ちに関わっている可能性へ辿り着く。
やがて世界は、由美に問いを突きつける。
――どちらを、続ける。
地球か、此方か。
けれど。
「知らん。なんで二つから選ばなきゃいけないの」
選択肢を与えられたからといって、そのどちらかが正しいとは限らない。
そして帰ることだけを考えていた此方にも、いつしか無かったことにはできない人ができていた。
――最初の問いから、間違えている。
異世界ファンタジー×SFミステリー。
二つの世界の謎と、その狭間で続いていく人と人との物語。