あらすじ
音を集めることが趣味だった会社員・相沢律は、ある日、自分で録音した環境音の中に聞き覚えのない少女の声を見つける。
『――まだ、聞こえる?』
その声を聞いた直後、耳をつんざくような高い音に意識を奪われ、次に目を覚ましたとき、律は異世界で「エリオ」という赤ん坊に生まれ変わっていた。
やがて授かったのは、一度聞いた音を記憶し、正確に再現できる《残響記録》というスキル。
戦う力もなく、役に立たない外れスキルだと笑われながらも、エリオだけはその能力に可能性を感じていた。
しかし勇者パーティでは評価されず、ついには追放されてしまう。
行き着いた辺境の町で、エリオは声を失った少女と出会う。
そして古い鐘に残された「音」を再生したことをきっかけに、失われた古代魔法と、この世界から消された声の存在を知ることになる。
音は、消えて終わるものではなかった。
世界が忘れた声を拾うたび、エリオは自分がこの世界へ転生した理由へと近づいていく。