あらすじ
王都の裏通り、不思議な雑貨屋がある。
「欲しいものがあるなら、あの店に行けばいい」
そう噂される店では、訪れた客が本当に欲しいものが現れるという。
希少な宝石も。
手に入りにくい新刊も。
異国の珍しい品も。
そして――人によっては、人生を変えるほどの「出来事」まで。
子爵令嬢セイラは、華やかな装飾品を求めて店を訪れた。
2歳年下の婚約者にふさわしい装いをするために。
セイラは幼い頃から、病弱だった彼のために自分の時間を犠牲にし、看病し、家政を取り仕切り、彼に相応しい女性になろうと努力してきた。
けれど、健康を取り戻し、騎士として名を上げたケインは変わってしまった。
「お前は俺に相応しくない」
周囲の女性たちと楽しげに過ごし、セイラを貶めるケイン。
そしてある日、身に覚えのない不貞と金銭の使い込みを理由に、一方的に婚約破棄を告げられてしまう。
家からも追い出され、貴族令嬢としての居場所すら失ったセイラ。
そんな彼女に、思いがけない場所から救いの手が差し伸べられる。