あらすじ
――三千年の眠りから、最強の王が目を覚ます。
三千年前。
人類を滅亡寸前まで追い詰めたと伝えられる、吸血種の王――ヴァルディア・ノクス。
十二人の最強の祓魔師《十二聖座》との死闘の末、殺すことすら叶わなかった夜王は、命と引き換えの大封印術によって歴史の闇へと封じられた。
そして西暦二〇二六年。
三千年もの時を経て、その封印が突如として崩壊する。
現代へ蘇ったヴァルディアが感じ取ったのは、かつて自分を傷つけた者と同じ――**“王を殺し得る血”**だった。
その血を宿していたのは、祓魔師でも吸血種でもない、ごく普通の高校生――黒崎レイ。
何も知らない少年と、人類史上最悪と恐れられた王。
本来なら、殺す者と殺される者。
しかしヴァルディアが選んだのは、レイを殺すことでも、その力を奪うことでもなかった。
「強くなれ、レイ」
「そしていつか――私を殺してみろ」
王は、自らを殺し得る少年を育て始める。
一方、夜王の復活を察知した祓魔師組織《聖庁》も動き出す。
若き天才祓魔師月城シオン。
《雷帝》の異名を持つ特級祓魔師神代ジン。
王に忠誠を誓う《七血侯》たち。
そして、人間にも吸血種にも認識できない――“存在しない何か”。
レイの血を巡り、三千年前から止まっていた運命が再び動き始める。
だが――歴史には、一つだけ大きな嘘があった。
なぜヴァルディアは人類と戦ったのか。
なぜ十二聖座は王を殺さず、封印したのか。
そして――
三千年前、ヴァルディアと最後まで戦った男。
“王殺し”レオニス・アルヴァレスは、本当に王の敵だったのか。
すべての答えは、レイの血の中に眠っている。
王を殺すための血か。
王を救うための血か。
これは――
最強の吸血王と、その王を殺せる少年が、三千年前に隠された世界の真実へ辿り着く物語。
『王殺しの血』
――その血が目覚めるとき、偽りの歴史が終わる。