あらすじ

あの夜、私は悠斗に誘われて、彼の友人たちとの飲み会に参加していた。  途中で悠斗が電話に出ると言って席を外すと、見知らぬ男が近づいてきた。最初は世間話だったのに、次第に距離を詰められ、「旦那さん、しばらく戻ってこないみたいだし、このあと二人で飲み直さない?」と何度もしつこく誘われた。 「結構です。夫を待っているので」  それでも男は諦めず、今度はホテルに行こうとまで言い出した。私がはっきり断って席を立とうとした瞬間、離れた場所から突然笑い声が上がった。  悠斗と友人たちが出てきた。 「悠斗、お前の奥さん、ちゃんとしてるじゃん。金払って試した甲斐あったな」  私は何を言われているのか、一瞬理解できなかった。  悠斗は悪びれる様子もなく笑っていた。 「最近、浮気する人も多いだろ? ちょっとした貞操チェックだよ。本気にするなって」  別の友人が面白がるように口を挟んだ。 「でも、神崎先生の話じゃ、お腹の子は女の子なんだろ? 跡取りが欲しい高橋家としては、そっちのほうが問題か」  私はその場に立ったまま、悠斗の顔を見つめた。  あの瞬間、この人たちが急に知らない人間に見えた。  そこまで私を試したいのなら、もういい。  私だって、いつまでも物分かりのいい妻を演じるつもりはなかった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/19
  • 現在の作品占い師が“女の子だ”と言った日、夫と姑は“私の命”を終わらせようとした