あらすじ

王太子レオンとの婚姻を控えた侯爵令嬢エレナは、契約調印式で「レオンに関するすべての記憶」を献納するよう命じられる。結婚すれば、愛する人を忘れる――。納得できないエレナは、レオンとともに百年以上続く記憶献納制度の秘密を調べ始める。 やがて二人は、夫を忘れた歴代王妃たち、歴史から消された三人の王妃、そして現王家が正統な第一王子から王位を奪った血筋である事実に辿り着く。さらにエレナ自身も、幼いころ王宮の秘密を目撃しており、彼女を守るため母が娘との五年間の記憶を差し出していたことが判明する。母に愛されていないと思っていたエレナは、残された記憶から、母が誰より自分を愛していたことを知る。 王宮地下の記憶宮では、多くの人々から奪われた記憶が保存されていた。本来は危険が去れば本人へ返す制度だったが、歴代王家が改変し、記憶を支配の道具にしていたのだ。しかも王になる者は、国家より優先しかねない「最も愛する一人」を忘れさせられる。 レオンはエレナを忘れないため王位を捨てようとするが、エレナは拒む。彼女は、愛する人に自分のため人生を捨ててほしくないと願う。 やがて制度への反発から王都に他人の記憶が降り注ぎ、王家の秘密が暴かれる。二人は記憶を本人の意思で返還できる仕組みを復活させ、記憶献納制度を廃止。さらに王位を血統だけで決めず、国民の信任を必要とする新しい統治へ変える。 信任を得て王となったレオンと、彼を自ら選んだエレナ。再び婚姻契約の日を迎えたエレナは告げる。 「何度でもではなく、ずっとあなたを愛したいのです」 二人は、愛か責任かを選ぶのではなく、その二択しかなかった国そのものを変えていく。

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小説を読もう2026/08/19
  • 現在の作品結婚すると、あなたは私を忘れる――記憶を納める王国の契約令嬢