あらすじ
最強の騎士になりたい。
誰よりも強く、誰よりも高みに立ち、いつか誰もがその名を知る英雄になる――。
そんな夢を抱く少年、アル・クラリネンス。
銀の髪と金色の瞳を持つ彼は、まだ幼さを残しながらも、騎士として人を守ることを何よりも大切にしていた。
ある日、森を通りかかったアルは、盗賊に襲われている女性フィリス・アルベーノを救い出す。
そして彼女の依頼を受け、ハミナスの街まで護衛することになった。
その旅の先でアルを待っていたのは――夢を持つことすら諦めた、一人の名もなき奴隷の少女だった。
自由を知らず、希望を知らず、ただ生きることだけを受け入れていた少女。
英雄を夢見る少年と、夢を失った少女。
決して交わるはずのなかった二人の運命が交わったとき、アルの信じていた「騎士」と「英雄」の意味は、少しずつ変わり始める。
これは、後に「銀の騎士」と呼ばれる少年と、名もなき少女が歩んだ――一つの英雄伝説である。