あらすじ
理不尽な上司のもとで働き続けた末、静かに力尽きた28歳の会社員・佐伯碧。
目覚めると、彼は異世界の辺境の村に赤ん坊として生を受けていた。
もう誰にも命令されたくない。誰かに命令したくもない。
そう願う彼が授かった固有スキルは『采配』——的確な指示を与えるほど、指示された相手の力を規格外に引き出す力だった。
「ちょっと手伝うだけ」のつもりが、指示を受けた仲間や魔物たちは、いつも彼の想像を超える結果を出してしまう。
気づけば駆け出し冒険者は国一番の実力者に、小さな開拓村は大陸有数の都市に、そして自分自身は"大陸の采配者"と呼ばれる英雄になっていた。
目指したのはスローライフ。たどり着いたのは、大陸の命運を左右する存在。
それでも彼は、最後まで自分のやり方——「誰かを踏みにじらず、力を引き出す」——を貫き通す。
これは、命令されることに怯えていた一人の男が、命令することを恐れなくなるまでの、長い長い人生の物語。