あらすじ
世界は、一人の女子高生の機嫌で滅びる。
高校生・佐伯レンのクラスへ転校してきた天野ミライは、プリンが好きで、人付き合いが苦手な、ごく普通の少女だった。
ただ一つ――彼女の絶望が限界を超えれば、世界そのものが崩壊することを除けば。
政府からミライと友達になるよう命じられたレンは、戸惑いながらも彼女と過ごしていく。
一緒にプリンを食べ、ゲームをして、体育祭で失敗して。
いつしか二人は、本当の友達になっていた。
しかしレンは知ってしまう。
ミライが笑って過ごせるように、学校生活も、人間関係も、失敗さえも――すべて政府によって仕組まれていたことを。
「幸せでいてくれるなら、嘘の人生でも構わない」
七十八億人を守るためなら、一人の少女の自由を奪ってもいいのか。
そしてすべてを知ったミライが望んだのは、
「本当のものを、何か一個ください」
だった。
世界を滅ぼせる少女と、世界なんて救えない普通の少年。
これは、世界で一番やさしいラスボスが、
泣くことも怒ることも許された普通の女の子になるまでの物語。