あらすじ
過去の挫折経験から省エネ思考になった大学一年生・春岡衣吹は、何にも興味が持てず、目標もない退屈な日々を送っていた。
そんなある日、地元・奈良市で偶然目にした天平行列。奈良時代を思わせる華やかな衣装に身を包み、堂々と先頭を歩く光明皇后役の姿に、衣吹は一瞬で心を奪われる。
「自分もあの場所に立ちたい」
「行列の主役になって、誰かに影響を与えられる存在になりたい」
そう思った衣吹は、光明皇后役を務めるための条件である、「奈良市観光大使」への応募を決意する。そして、無事に第三十五代奈良市観光大使の一員に選ばれた。
そこで出会ったのは、才色兼備で頼れる存在でありながら、幼少期から双子の妹と比較されてきたことで自分に自信を持てない平井京(みやこ)と、過去の失敗から人前に立つことが苦手な、控えめな性格の小笠原楓。
任期は一年間。三人で観光大使として奈良市の魅力を伝える中、それぞれが抱える過去や悩みと向き合い、少しずつ成長していく。
衣吹自身も、これまで避けてきた「本気になること」と向き合うことになる。
ずっと脇役として生きてきた少女が「主役になること」を目指して駆け抜ける、奈良市観光大使としての一年間の物語。