あらすじ
高校二年の夏休み。
津守なんばは、父親と二人で暮らしていた。
母親は、なんばが物心つく前に亡くなった――そう聞かされていた。
ある夜、アルバイトから帰ったなんばを待っていたのは、父親の姿ではなく、一枚の紙切れだった。
『母さんと待っています』
そこには、存在すら知らなかった島の名前と、見知らぬ船のチケット。
父を追って、なんばは「みなみのうみの島」へ向かう。
しかし、その島は地図にもインターネットにも存在しない。
島へたどり着いたなんばを待っていたのは、不思議な少女・ミサキだった。
「あなたが来ることは知ってたよ」
島には、手から水を出す農家。
瞬間移動する郵便屋。
ここは、世界のどこにも存在しないはずの島。
そして、島に住む人々には、誰にも言えない秘密があった。
父親はなぜ、なんばを置いて島へ向かったのか。
死んだはずの母親は、どこにいるのか。
そして――なぜ、なんばはこの島へ呼ばれたのか。
これは、ひと夏の少年が、失った家族と出会い直す物語。