あらすじ
四十二歳、独身、職業プログラマー。
技術力はある。仕事は真面目。後輩からも慕われている。
だが口下手で自己主張が苦手な彼は、上司にいいように使われ続け、仕事に追われるだけの人生の末、過労で突然死してしまう。
「もっと自分のために生きればよかった」
後悔と無念を抱えて死んだ彼の前に現れたのは、妙に軽いノリの神だった。
そして剣と魔法、精霊が存在する異世界へ転生した彼に与えられたジョブは――《アーキテクト》。
誰も聞いたことがない謎の職業に、周囲の冒険者たちは「ハズレ職」と笑う。
ところが彼には、この世界の魔法が別のものに見えていた。
長大な詠唱、複雑な魔法陣、決められた手順。
――これ、プログラムと同じじゃないか?
ならば解析できる。分解できる。共通部分を関数化し、再利用し、別の術式と組み合わせることもできる。
前世の知識と《アーキテクト》の力によって魔法を次々と再構築していく彼は、やがて大賢者すら扱えない失われた古代の叡智《三次元魔法陣》へと手を伸ばしていく。
さらに古代遺跡で出会ったのは、遥か昔に滅びた文明が生み出した《人工精霊》。
なぜか人工精霊は彼に懐き、自然精霊までもが彼の周囲へ集まってくる。
そして《アーキテクト》の名を知る一部の賢者たちは、その存在を知ると口を閉ざす。
失われたジョブ。
滅びた古代文明。
各地に眠る人工精霊。
そして精霊たちは、なぜ彼を知っているかのように振る舞うのか。
これは、前世で報われなかった一人のエンジニアが、魔法と精霊を再構築しながら世界に隠された真実へ近づき――今度こそ自分の人生を生きる物語。