あらすじ
郊外にある、どこにでもありそうな飲食店。
一階は駐車場、二階が客席になっている。
昼になれば駐車場が埋まり、家族連れや学生で店内が賑わう。厨房からは料理を作る音が響き、ホールでは食器を片付ける音やスタッフの足音が絶えず聞こえている。
忙しい日もあれば、客足が少なく、時間だけがゆっくり過ぎていく日もある。
働いている人たちも、それぞれ違う。
長く店を支えてきた人もいれば、学校と両立しながら働く学生もいる。仕事のやり方も、性格も、人との距離の取り方も違う。
だから時には噛み合わないこともある。
それでも、同じ店で働いている以上、毎日顔を合わせ、同じ時間を過ごしていく。
そんな店に、一人の新人スタッフが入ってくる。
最初は仕事を覚えることだけで精一杯だった新人も、少しずつ店の空気に慣れていく。
忙しい営業を一緒に乗り越え、休憩中に少し話し、仕事が終わればそれぞれの日常へ戻る。
特別なことが起きるわけではない。
誰かが失敗して、誰かが助ける。
忙しさに追われて一日が終わる。
シフトが重なれば顔を合わせ、休みが続けば何日か会わない。
そんな、ごく普通の毎日。
けれど、同じ場所で時間を重ねていくうちに、人と人との距離は少しずつ変わっていく。
本人たちが気付かないところで生まれる感情や、何気ない言葉の積み重ね。
誰かにとっては何でもない一日でも、別の誰かにとっては、後から振り返ると忘れられない一日になっているかもしれない。
これは、そんなありふれた日常の中で、少しずつ変わっていく人間関係を描いた物語。