あらすじ

安全指定の採取場で、ユウの妹は死んだ。 神界が下した結論は――「仕様の範囲」。 それから九年。 辺境の記録係として生きるユウには、世界の設計と現実が食い違った場所に走る「赤い亀裂」が見える。 そしてある日、かつて妹を殺したのと同じ異常が再発する。 初心者向け区域に現れる上位魔獣。 命を救うほど赤字になる治癒院。 支援職の功績を奪う査定制度。 「安全」と記録されながら死者を出し続ける辺境。 調べれば調べるほど、この美しい世界がとんでもない欠陥だらけだと判明していく。 しかも神界の公式記録では――過去十年間、安全区域で死んだ人間は「ゼロ」。 「死んだ人間を、数字から消せば事故じゃなくなるのかよ」 ユウは、自分を長年「厄介者」と呼んできた世界を救うつもりなどなかった。 だが最終監査に落ちれば世界炉への資源供給が止まり、半年後には王都も辺境もまとめて滅びる。 逃げても助からない。 ならば、壊れている場所を全部見つけて、直すしかない。 相棒は、絶大な神力と美的センスを持ちながら、人間との会話が壊滅的に苦手な管理女神エリシア。 世界のバグを見る人間と、世界を書き換えられる女神。 「俺が原因を見つける。あんたが直せ」 「……人間のくせに、本当に遠慮がありませんね」 二人は住民の記録を武器に、神界が「正しい仕様」と呼んできた世界を一つずつ作り直していく。 これは最強の英雄が世界を救う物語ではない。 治癒師、職人、冒険者、子ども――名もない住民たちが、自分たちの生きる世界を自分たちの手へ取り戻す物語。 そして、妹の死を「なかったこと」にさせないための物語だ。

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小説を読もう2026/08/08
  • 現在の作品世界のバグが見える俺、妹の死を「仕様」で片づけた神界を監査する ~死者ゼロの公式記録を暴き、不器用な女神と欠陥世界を住民ごと修正します~