あらすじ
十歳の頃から十年間、婚約者として過ごしてきた男爵令嬢ティリリと、子爵嫡子ローガン。
ある日、ずっと夢見ていた王立薬草院への採用が決まり、真っ先にローガンへ報告しようと彼の屋敷を訪れたティリリ。ところが、ローガンの口から告げられたのは、祝いの言葉ではなく突然の婚約解消だった。
他に好きな人ができたわけでもない。ティリリを嫌いになったわけでもない。それなのに、理由だけは頑なに話そうとしないローガン。
ついに堪忍袋の緒が切れたティリリは、その頬を思いきり叩く。
「私を捨てるなら、せめて理由を言いなさい」
十年間一度も「好き」と言わなかった、不器用な二人のすれ違い恋愛。