あらすじ
村のはずれには、一年中白い花びらが舞い続ける「白い森」があった。そこには、「白い猫を見つけた者は一番大切なものに出会える」という言い伝えがある。しかし祖母は主人公・蒼に、「白い猫を追いかけてはいけない」と言い残していた。
祖母の死をきっかけに白い森へ足を踏み入れた蒼は、一匹の白い猫と出会う。猫に導かれた先で、蒼は祖母との思い出と向き合い、大切な人との別れを受け入れていく。
その後、祖母の日記から白い森の秘密を知った蒼は、再び森へ向かう。白い猫は、人々の悲しみや苦しみを何百年も一匹で受け止め続けていたため、命を削られていたのだった。さらに、人々の憎しみから生まれた黒い狼が森を滅ぼそうとしていた。
蒼は、悲しみは一人で抱え込むものではなく、人と分かち合うことで乗り越えられると白い猫に伝える。その思いが森を包む光となり、黒い狼を消し去り、白い猫を救うことに成功する。
やがて白い森は再び美しさを取り戻し、白い猫は新たな命へと受け継がれていく。以来、人々は「白い森の猫は願いをかなえる猫ではなく、大切な人を想う心を忘れさせない猫である」という言い伝えを語り継ぐようになる。
悲しみを受け入れ、人とのつながりの大切さを描いた、心温まるファンタジー作品。