あらすじ
『愛って、どんな味がすると思う?』
「嘘をつくと過呼吸になる」代償として、他人の感情が色で視える少女・千鏡美琴。
彼女が息苦しくならないよう、恋愛コンサル部で助手を務める高校生・渡良瀬透は、自分の感情を極限まで押し殺し、「透明な色」を演じ続けていた。
二人のもとに舞い込んだのは、一見ありふれた浮気調査の依頼。
しかし、標的である男子生徒・浮島祐介を尾行した渡良瀬たちは、身の毛のよだつ光景を目撃する。
文字から書き手の感情を「味」として読み取る共感覚を持った祐介は、毒親からの虐待のストレスから、彼女が書いたノートの切れ端を食べる異食症に陥っていた。
彼を救うため、自らの愛を手放す決断をした彼女。
教え子たちを守るため、すべての罪を被り「狂気のストーカー」を演じた教師。
誰もが愛する人を救うために、残酷で優しい嘘をついていた。
土砂降りの雨の中、追い詰められた彼らを救うため、透明だったはずの渡良瀬はたった一つの行動に出る。
それは、文字書きロボットを使った、一切の味がしない、冷酷なまでに「無味乾燥な手紙」を突きつけることだった――。
なぜ彼は、感情を持たない機械の文字を選んだのか?
そして事件の果てに明かされる、渡良瀬が「透明」であり続けた本当の理由とは。