あらすじ
「つまり、それは私の判断に委ねるということでよろしいですか?」
時代が「明治」へと変わったばかりの日本。
理由は定かではないが、古くからの神や怪異といった「神格」の目撃例が急増し、さらには海外からの未知の異能の流入など、国内外は混沌を極めていた。
そんな中、国内をさらに揺るがしたのが明治政府の出した『神仏分離令』に伴う廃仏毀釈である。
それまで平穏に合体して祀られていた神と仏は強引に引き剥がされ、行き場を失い荒れ狂う「神格」たちによる怪異が全国で多発していた。
この事態を重く見た政府は、非公式に資金を出資し、極秘裏に怪異対策組織『神異調査会』を設置する。
暴れる神格の正体を見極める「神格鑑定士」と、彼らを命懸けで護る「神事護衛係」。
お祓いの血筋でありながらほわほわとマイペースな少女・神楽うずめと、かつて単独で高位神格を打ち倒した伝説の“神殺し”の刀『鎮神(しずかみ)』を受け継ぎながらも、その真の力を引き出せず焦燥する少年・佐々木燈夜。
正反対の二人は即席のバディを組まされ、四国の険しい山奥に佇む廃寺へと派遣される。
「推定神格五級。ただの小規模な廃寺の調査」――そのはずだった。
だが、荒れ寺に足を踏み入れた二人の前に現れたのは、地を揺るがすような咆哮をあげる、巨大な災厄の獣だった。
少女が下す「鑑定」と、少年の振るう「刃」が、明治の闇に咆哮する神格たちの真実を暴き出す。
人と神格の境界線を巡る、明治和風バディファンタジー、開幕。