あらすじ

「ねえ、お姉ちゃん……まだ、ここにいるよ」 役場で働く遠野千景には、人には見えない「童(わらべ)」の声が聞こえる。 童とは、誰にも言えなかった寂しさ、置き去りにされた悲しみ、帰れなくなった幼い心が形になった存在。 古くからその童を現世から送り返す役目を担ってきた者たちは、「童帰り師」と呼ばれていた。 廃校、児童館、雨のプール、古い神社――。 町の片隅に残された小さな怪異と向き合うたび、千景は子どもたちの「助けて」という声に耳を傾けていく。 しかし、童を救えば救うほど、彼女自身の胸の奥に眠っていた幼い日の傷もまた、静かに目を覚ましていく。 これは、怪異を倒す物語ではない。 誰にも迎えに来てもらえなかった小さな心へ、「見つけたよ」と伝える物語。 和風伝奇とヒューマンドラマで紡ぐ、少し切なくて温かい現代幻想譚。

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小説を読もう2026/08/07
  • 現在の作品童帰り師(わらべがえりし)