あらすじ
世界標準歴1946年、夏。祖国興亡戦の末期、新型爆弾による空襲で沿岸部が壊滅した帝国軍は、内陸の山中深くに要塞化された司令部と地下都市を築いて徹底持久の構えを見せていた。
だが終わらない戦争に厭戦気分が蔓延していた連合国は、早急に戦争を終結させるべく、切り札とも言える新兵器の投入によって帝国首脳陣の士気を挫くことを企図し、もって新型の「超大型空中戦艦:通称『フライング・キャッスル』」による帝国軍司令部の徹底爆撃を作戦立案。
事前テストとして選ばれた前線の地下要塞群は、この『フライング・キャッスル』から投下された大量の対地貫通爆弾によって文字通り消し飛ばされてしまった。
あまりの威力と惨状に恐れ戦いた帝国首脳部は早々に休戦協定の締結に舵を切り、また徹底抗戦の姿勢を崩さなかった軍部にしても『フライング・キャッスル』への対応を迫られた。
両者は思惑こそ正反対だったが、現実的な問題では一致していた。
つまり、協定締結あるいは防空体制の再構築までの時間稼ぎである。
かくして、この超大型空中飛行戦艦を撃沈するための航空決死攻撃隊が編成される。
しかし既に戦局は十分に経験のある搭乗員や航空兵力を用意できる段階にはなく、攻撃隊の人員として基地に集められたのは年端も行かない徴兵された少女たちばかりであった……。
陸軍令『(空中分解事故を起こした)試製ジェットエンジン搭載の(急造)機体を利用して、巨大空中戦艦に対して航空特攻を敢行せんとす。帝国の興廃此の一挙にあり。少女飛行隊各員は、一億臣民に先駆けてその本分を尽くすべし』。