あらすじ
「これは泥水ですね。飲用には適さない」
コーヒーのない異世界に転生して十五年。薬種商の娘ミレイユは、ついに前世で愛したコーヒーに相当する種を発見する。
ところが、最初に淹れた一杯は交易監査官レオナールから酷評され、種も未登録品として廃棄寸前。三日以内に出所、安全性、適切な提供量、そして「金を払って飲む客」の存在を証明できなければ、実家の輸入許可まで停止されてしまう。
焦がして、煮すぎて、厳格な監査官を一晩眠れなくさせながら、ミレイユは世界で初めてコーヒーを「商品」にしようと奔走する。
これは、誰も知らない黒い飲み物に最初の銅貨が置かれ、不器用な恋も動き始める三日間の物語。