あらすじ

北海道の半地下にある怪談バー「灯」。怪談師・高梨悠一は、幽霊を一切信じない。どんな怪異も、最後には人間の企みへと剥いてみせる——それが彼の芸だった。 ある晩、彼は自分がこしらえたはずの戒めに、こしらえた覚えのない続きが付いているのを知る。「名前で呼ぶな。呼べば、向こうに覚えられる」。その一行は、三年前に死んだ若き天才怪談師・一之瀬が繰り返していた言葉と、寸分違わなかった。 雪の降る東京の邸宅。一之瀬を悼む会に集った七人が、故人にまつわる怪談を一席ずつ語っていく。楽屋で剥がされた名札。名を返させた語り手。証拠のない子供たちに縫い取られた名前。——語られるほどに、卓の上には人の形をした空白が立ち上がっていく。

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カクヨム
カクヨム2026/08/07
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