あらすじ
世界は、突然の氷河期によって崩壊した。
物流は止まり、電気も水道も失われ、食料を巡って人々は少しずつ理性を失っていく。
神崎蓮もまた、その中で一人の女を最後まで信じ続けた。
自分の最後の食料さえ差し出し、親友の忠告にも耳を貸さず。
だが、その結果待っていたのは――裏切りと死だった。
薄れていく意識の中、蓮は誓う。
「もし来世があるなら、もう二度と人なんて信用しない」
そして目を覚ます。
そこは――氷河期が始まる三十日前だった。
しかも蓮には、生き物以外なら何でも収納できる謎の空間能力が宿っていた。
容量不明。
時間停止。
食料も、水も、燃料も、車も、大型設備さえ収納できる。
なら、やることは一つ。
今度こそ、生き残る。
未来を知る蓮は高級マンションを要塞へと改造し、食料、水、燃料、医薬品、工具――必要になりそうな物を片っ端から集めていく。
そして氷河期が始まった後も、無人となった物流倉庫や工業地帯から、いつか使うかもしれない物資や設備を次々と空間へ収めていく。
「どうせ入るなら、全部もらっていくか」
そんな軽い気持ちで始めた回収。
だが蓮はまだ知らない。
自分が集めているものが、いつの日か滅びかけた文明を再び動かすための“種”になることを。
一方、要塞の外では、人々の心が少しずつ壊れ始めていた。
助け合いは疑念へ。
疑念は嫉妬へ。
嫉妬は正義を装った圧力へ。
そして最後には――狂気へ。
裏切られて死んだ男が、二度目の氷河期で選ぶのは復讐か、生存か。
そして、人を信じないと誓った男は、もう一度誰かを信じることができるのか。
これは、世界の終わりを一度経験した男が、
**すべてを収納し、すべてを備え、凍りついた文明を生き抜く物語。**