あらすじ

魔王ゼメルギアスは、魔王城へ乗り込んできた女勇者リリアとの最終決戦を迎えていた。 激戦の最中、ゼメルギアスの放った黒炎が、リリアの持つ転移の宝具へ直撃する。壊れた宝具が生み出した黒い穴に吸い込まれたのは、魔王と勇者の二人だけだった。 ゼメルギアスが目を覚ました場所は、見たこともない巨大な建物と、大勢の人間が行き交う現代日本。 すぐに元の大陸へ戻ろうと魔法を唱えるが、何も起きない。この世界には魔力が存在せず、魔王であった彼も、少し身体が丈夫なだけのただの男になっていた。 金もなければ、この国の文字も読めない。空腹のまま迷い込んだ定食屋で、ゼメルギアスは店主へ「この店で最もうまいものを出せ」と命じる。 そこで出された生姜焼き定食は、魔王が日本で初めて口にした料理であり、たった一度で彼の最も好きな食べ物となった。 その定食屋を一人で切り盛りしていたのは、訳ありの社長令嬢・神代楓。 楓は父親の会社が所有する古いマンションの管理も任されており、金も行く場所もないゼメルギアスを放っておけず、空き部屋を貸すことになる。 こうしてゼメルギアスは、楓の家名を借りて『神代真央』と名乗り、生活費を稼ぐためスーパーで働き始める。 笑顔での挨拶、品出し、値札、金銭の扱い――魔王にとっては未知のことばかり。それでも、覚えた仕事を誇らしげに報告する真央を、大学生の同僚・瀬尾七海は呆れながらも放っておけなくなっていく。 「余は本当に魔王なのだぞ!」 「はいはい、そういう設定はいいから仕事して」 一方、同じ日本へ飛ばされた女勇者リリアも、異世界に残された仲間たちのもとへ帰る方法を探していた。 魔法は使えない。文字も読めない。常識も通じない。 それでも元の世界へ帰るため、魔王様は今日もスーパーで働く。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/07
  • 現在の作品異世界最強の魔王、現代日本ではただの無職だったのでスーパーで働く 〜魔法は使えない、文字も読めない、それでも余は魔王なのだぞ!〜