あらすじ

この国では、誰かを救うたびに、必ず何かを差し出さなければならない。 灰継ぎの少年・セインは、その代償を「名前」で払う稀少な体質を持っていた。誰かを救うたびに、救われた本人の記憶の中から、セインという存在がひっそりと薄れていく。 セイン自身は、それに気づいていない。 代償院の記録官・リゼは、幼い頃に何者かに救われた記憶をぼんやりと持っている。けれど、その"誰か"の名前を、どうしても思い出せない。 先輩灰継ぎのダロンは、セインの手首に巻かれた包帯の意味に、誰よりも早く気づいてしまう。気づいていながら、何も言えずにいる。 誰も彼を不幸だとは思っていない。セイン自身でさえ、そうだ。 それでも読者だけは、知っている。 このままでは、彼の名前は、誰の記憶からも消えてしまう。 忘れられても構わない。それでも彼は、誰かを救うことをやめない。 胸が締め付けられる代償の物語、開幕。

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カクヨム
カクヨム2026/08/06
  • 現在の作品誰かを救うたび、僕の名前は薄れていく